エコキュートのメリット・デメリット
(2012年9月11日)
エコキュートのメリット
エコキュートの性能を表す数値に年間給湯効率(APF)というものがあります。一定量の電気から、どれだけの熱をつくることができるかという指標で、
年間給湯効率(APF)=(1年間につくる熱量)/(1年間の消費電力量)
で計算されます。つまり、ファンをまわしたり、圧縮のためにコンプレッサーを動かしたりするために使用する電力量に対して、どれだけの熱量をつくることができるのかを示すものです。
エコキュートは、APFが一般的に3.0以上の数値になります。従来の電熱式温水器の場合はAPFが1とされているので、エコキュートはその3倍以上。いかに効率が良いか、お分かりでしょう。
家庭での消費エネルギーは給湯が最も多く、約30~35%も占めています。その給湯にかかる費用を大幅に削減できるのがエコキュートなのです。
エコキュートのデメリット
デメリットとしては、設置スペースと導入コスト、運転時の音の問題があります。
「ヒートポンプユニット」と「貯水ユニット」の両方をあわせると、およそ0.8㎡の設置面積が必要です。そのためマンションなどの集合住宅では、設計段階から組み込まない限り、導入は難しいといわれています。
エコキュートの導入コストは60~90万円。ガス給湯器に比べ40万円以上高くなります。
ただし、調理器具をIHにしてオール電化住宅にすれば、電気料金はオール電化向けの安価な料金体系が適用され、ガス給湯器を導入した場合との差額は5~6年で回収できるともいわれています。
エコキュートのヒートポンプの原理は、エアコンや冷蔵庫と同じです。ですから空気を圧縮するときの機械音がします。少々、耳障りな「ブ~ン」という音ですね。エアコンの室外機ほどの音ではありませんが、30~40dB程度とされています。
しかも深夜に作動しますから、家屋が密集した地域では、ご近所とのトラブルの原因になることもあります。
日本冷凍空調工業会(日冷工)が「騒音等防止を考えた家庭用ヒートポンプ給湯機の据付けガイドブック」(2011年4月作成、2012年2月改定)をまとめています。ご参考にしてください。
<参考文献> ニュートン『最新ガイド 太陽光発電』(2011年8月)