住宅用太陽光パネル価格下落に弾み|海外メーカー家庭向け本格参入

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国内外メーカーとも太陽光パネルは住宅用に照準

(2016年8月26日)

FITバブルの終焉、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)化を背景に、国内外の太陽光パネルメーカーが住宅用に照準を合わせた動きを活発化させています。

 

海外の太陽光パネルメーカーが家庭向け太陽光パネル市場に本格参入を開始したことで、住宅用太陽光パネルの価格下落と普及に弾みがつきそうです。

 

これからは住宅用

「これから日本市場を支えるのは住宅用」というのが、国内外を問わず太陽光パネルメーカーの見通しです。

 

しかし、投資目的が多い産業用と違い、住宅用はコストパフォーマンスだけでは選ばれません。「ブランド力」がモノを言う市場です。

 

もっとも重要視されるのは、会社や製品の信頼性の高さ。ここに国内メーカーの強みがあり、住宅用は国内メーカーの独壇場でした。住宅用市場は、国内メーカーが8割以上を占めます。

 

太陽光発電協会(JPEA)出荷統計によると、2015年度の国内出荷量(出力ベース)は、海外メーカー製品の割合は38%、ほぼ4割を占めますが、住宅用に限ると15%にとどまります。

 

海外メーカーが住宅用に本格参入

海外メーカーにとって、営業拠点の少なさや認知度の低さがネック。そこで、地元に強い工事会社と提携してサポート拠点を増やしたり、周辺機器とのセット商品を売り出したりする動きが相次いでいます。

 

海外メーカーのなかでサポート体制構築に先行しているのは、サンテックパワー、カナディアンソーラー、ハンファQセルズといわれています。

 

カナディアンソーラー

カナディアンソーラージャパンは7月7日、修理・アフターメンテナンスを担うサービス拠点を300カ所に増やすことを発表しました。納入した太陽光発電システムにトラブルが発生したときに技術者を迅速に派遣できるようにし、アフターフォローまで含め万全なサービス提供をめざします。

 

ハンファ―Qセルズ

ハンファQセルズジャパンは、日本国内に5か所の営業拠点と物流拠点をそれぞれ持ち、450ヵ所のアフターサービス網を構築済み。年内にも住宅向け営業員を2倍の100人体制にする方向です。

 

サンテックパワー

サンテックパワージャパンは、「外資系メーカーの中で、唯一日本に開発生産拠点を持ち、日本の気候や文化に合わせた製品を開発(サンテックパワーHP)」するとともに、全国100ヵ所を超える拠点を整備し、アフターサービスを提供。住宅用太陽光発電のサポート体制を強みとしています。

 

トリナソーラー

世界最大手のトリナソーラージャパンは、太陽光パネル・架台・パワコンなどをセットにした住宅用太陽光発電システムの販売を開始しました。

 

住宅用市場は2030年に4.5倍

富士経済「2015年版 太陽光発電ビジネスの最前線と将来展望」によると、

  • 産業用市場は、2020年ころまで縮小するとみられるが、それ以降は自家消費や電力自由化による新たな需要を取り込むことで市場拡大が予想される。
  • 住宅用市場は、ZEHへの方向性から、設置が順調に進み、2030年度には累計1,000万件程度の設置が予想される。

とされ、住宅用の市場規模(出力ベース)は、2030年度に500万kW、2014年度(110万kW)の4.5倍になると予測しています。

 

住宅用太陽光発電の伸び予測
(※富士経済「2015年版 太陽光発電ビジネスの最前線と将来展望」を参考に作成、設置出力数)

 

現在、住宅用太陽光発電の導入費用は、一般的な出力4kWの場合で150万円(37.1万円/kW)が相場とされています。

37.1万円/kWは、2015年10-12月のデータ。調達価格等算定委員会資料より。

 

低価格製品に強い海外メーカーが家庭向け太陽光に本格参入することで、今後、さらに導入費用が安くなることが期待されます。

 

 

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