エネファーム

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ガスと空気から電気をつくるエネファーム

(2012年11月16日)

エネファームというのは、特定の会社の商品名とは違います。メーカー各社が販売している家庭用燃料電池システムの愛称です。「エネルギー」と「ファーム=農場」をかけあわせた造語です。燃料電池といっても、蓄電機能はなく、太陽電池と同じ発電装置です。

 

エネファームの発電の原理

エネファーム 発電の仕組み

エネファームは、都市ガスやLPガスに含まれる水素(H2)を利用します。

 

ガスの主成分はメタン(CH4)で、ここから水素(H2)を取り出して、空気中の酸素(O2)と化学反応させて電気をつくります。水の電気分解の逆の反応ですね。

 

同時に、このとき発生する熱でお湯もつくります。つまりガスと空気から電機と熱を同時につくり出すシステムなのです。

 

ちなみに、水素を取り除いたガスには炭素(C)が残ります。炭素は酸素と反応して二酸化炭素(CO2)となって排出されます。しかし、エネファームは効率よくエネルギーをつくることができるので、従来の火力発電と給湯機の利用と比べて大幅に二酸化炭素の排出削減ができるとされています。

「水素と酸素から電気と熱をつくる」ことと「水と大地で農作物をつくる」ことが似ていることから、エネファームという愛称が生まれたようです。

 

太陽光発電と比べるエネファームのメリット・デメリット

エネファームは、太陽光発電とは違って天候に左右されないという強みがあります。これが太陽光発電と比べてのメリットです。

 

しかし、燃料電池を起動するために電力を必要とします。なので停電時には稼働しません。これが太陽光発電と比べてのデメリットとなります。

 

このメリット・デメリットからすると、「太陽光発電とエネファームの両方で発電すれば、それぞれの長所を生かし、デメリットをなくすことができるのでは?」と考えますよね。

 

そうです。それが「ダブル発電」なのです。

太陽光発電のメリット・デメリット

「ダブル発電」で太陽光発電の電力をすべて売電!

エネファームと太陽光発電システムを併設するのが「ダブル発電」です。ダブル発電にすれば、太陽光発電とエネファームのそれぞれのデメリットを補い合うことができます。

 

ダブル発電の最大のメリットは、自宅で使用する電力をエネファームでまかなうことで、太陽光発電で生み出した電力を全て売電できるということです。

 

ただし、太陽光発電で生み出した電力の買い取り価格は、通常1kwhあたり42円ですが、ダブル発電の場合は34円となります(2012年度)。太陽光発電単独の場合よりも8円低い設定です。

 

なぜ、ダブル発電の場合は買取単価を低く設定しているかというと、太陽光発電で生み出した電力をすべて売電できてしまうからです。ダブル発電をできるのは比較的裕福な家庭です。裕福な家庭が有利に売電し、電気を買うための資金を全国民が負担するような仕組みは公平性に欠けます。こうした理由から、ダブル発電の買い取り価格は太陽光発電単独の場合よりも低く設定しているのです。

 

しかし、これではエネファームの普及を阻害してしまいます。そこで、ダブル発電によって低減する売電価格を、ガス会社が負担する仕組みがあります。例えば東京ガスでは、「ダブル発電応援キャンペーン」として電力会社に売電した余剰電力量に対し、1kwhあたり8円を支払う支援策を設けています。

エネファームの導入コスト

とても便利なエネファームですが、やはりネックは導入コスト。例えば東京ガスが販売しているパナソニック製の製品は276万1,500円。一方、補助金は上限50万円(2012年度第2期募集分)です。

 

エネファームの寿命は長くて10年とされていますから、10年間で導入コストの投資回収は難しいのが現状です。

 

<参考文献> ニュートン『最新ガイド 太陽光発電』(2011年8月)

 

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