鴻海の傘下に入るもシャープブランド継続
(2016年6月1日更新)
シャープは、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業による買収劇の中で、太陽電池事業の切り離しが心配されていました。
しかし、5月25日、業界トップクラスの変換効率(19.6%)をほこる住宅用太陽電池モジュールの新製品を発表。同時に、シャープブランドが継続される方向であることも明らかになりました。
シャープは、1959年から太陽光発電に参入し、太陽光発電業界では最も歴史あるメーカーです。主要なハウスメーカで、シャープの太陽光発電システムが採用されてきました。
また、住宅用だけでなく、灯台や人工衛星など過酷な条件下でもシャープ製の太陽電池が使われています。
2010年には、太陽電池累計生産量で世界№1を達成。世界でも知名度が高く、信頼性の高い太陽光パネルメーカーです。
シャープの太陽電池の特徴
シャープの太陽電池モジュールは、多結晶タイプと単結晶タイプの両方をそろえています。単結晶タイプは、2011年に商品化しました。
シャープの太陽電池は、主要な他のメーカーと比較しても安いので、導入時のコストを重視される方におすすめです。
シャープの単結晶型太陽電池は、「バックコンタクト」という技術を使い、発電量をアップさせています。
「バックコンタクト」とは、裏面接続という意味で、太陽電池のセルの表面を流れている電極の配線をモジュールの裏側にもっていくという方式です。
通常、太陽電池の表面の電極が走っている部分は、太陽電池が隠されてしまうため、発電できなくなります。「バックコンタクト」は、その配線を裏側にもっていくことで、全ての面で有効に発電できます。
この方式は、東芝の太陽電池も採用しています。
シャープの太陽電池は種類が豊富です。サイズや形状が異なる太陽電池を組み合わせることで、屋根を無駄なく活用し、効率よく発電できます。
コーナー用モジュールも使って屋根のデッドスペースを解消
シャープは、スタンダードな長方形モジュールのほか、サイズの異なるモジュール、多角形のコーナー用モジュールも商品化しています。
これら3種類の太陽電池モジュールを組み合わせることで、7~25㎝刻みで太陽電池の増設が可能。これをシャープでは「ルーフィット設計」と呼んでいます。屋根を無駄なく最大限活用することができます。
切妻屋根も寄棟屋根も複雑な屋根の形状にあわせて、より多くの太陽電池を搭載することが可能で、最大限の発電量を得ることができます。
平板瓦一体型モジュールで見た目スッキリ、瓦屋根に美しく調和
平板瓦一体型モジュールは、瓦と一緒に屋根に直接葺くことができる「屋根材の太陽電池モジュール」です。
太陽電池と屋根の一体感があり、スッキリとした外観に仕上げることができます。
また、平板瓦と同等以上の防水・耐風性を備え、モジュール1枚の交換も可能でメンテナス性にも優れています。
シャープ独自の「webモニタリングサービス」で導入後も安心
シャープの太陽光発電システムの魅力の一つに「Webモニタリングサービス」があります。太陽光発電システム導入後も安心して使えるようにした、シャープ独自の見守りサービスです。
ご自宅に設置した太陽光発電システムと「シャープソーラーモニタリングセンター」がネットワークでつながることで、インターネットを通じて専門担当者が太陽光発電システムの監視と定期診断を行うサービスです。
このサービスを利用することにより、太陽光発電システムの運転状況(発電量・消費量・売電量)をリアルタイムで確認でき、発電診断レポートを毎月web上で確認できます。
また、太陽光発電システムに異常があった場合でも、その情報がただちにシャープに送信され、いち早く確認し、点検や修理など適切な対応が可能です。
シャープの保証制度は、3種類あります。
- 10年保証(無償)
- 15年保証(有償)
- BLACKSOLARプレミアム保証(無償、太陽電池モジュール20年・周辺機器15年)
さらに蓄電池は、10年保証(無償)です。
シャープの太陽光パネルを選ぶ際の注意点
シャープの太陽電池には、多結晶シリコンと単結晶シリコンの両タイプがあります。それぞれによって特徴や価格が異なるので、混同しないようにすることが必要です。
特に見積書をチェックする際には、製品の型番も含めて十分注意しましょう。