訪問販売トラブルが目立つ
(2013年7月2日)
再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が、7月1日で導入2年目に入りました。再生可能エネルギーの中でも太陽光発電が順調に拡大しています。しかし、その一方で家庭向け太陽光発電の販売に関するトラブルも急増しています。
年度 |
2008 |
2009 |
2010 |
2011 |
2012 |
対2008年度 |
---|---|---|---|---|---|---|
訪問販売 |
1,442 |
2,267 |
2,010 |
2,807 |
2,931 |
2.0倍 |
その他 |
286 |
569 |
680 |
1,127 |
1,476 |
5.2倍 |
合計 |
1,723 |
2,836 |
2,690 |
3,934 |
4,407 |
2.6倍 |
訪問販売の割合 |
83.5% |
79.9% |
74.7% |
71.4% |
66.5% |
※ 国民生活センターに寄せられた相談件数。国民生活センター 2013年6月28日更新分より作成。
太陽光発電普及の背景
2009年より太陽光発電の余剰電力買い取り制度が導入され、2012年7月からは全量固定価格買い取り制度に引き継がれました。
自家発電によって電気代が節約できること、家庭で使って余った電気を買い取ってくれること、などから急速に住宅用太陽光発電が普及してきました。
【参考】 太陽光発電のメリット
普及にともなうトラブル増加
しかし、こうして太陽光発電が普及すると、それにともなってトラブルも増加しています。上のグラフと表をご覧いただけると分かる通り、国民生活センターに寄せられた苦情・相談件数は、4年間で2.6倍も増えています。その多くは訪問販売にともなうトラブルです。
国民生活センターに寄せられた件数がこれだけですから、実際はもっと多くあることでしょう。
上のグラフと表には入れていませんが、今年度(2013年度)も前年同期より2割以上多いペースで増えています。
ただ、訪問販売にともなうもの以外の苦情・相談が大きく伸びていることも目を引きます。一気に普及を始めたため、技術力をともなわない業者が参入していることもうかがわせます。業者選びはとても重要です。
最近の苦情・相談事例
国民生活センターに寄せられた最近の苦情・相談の特徴をあげると、
- 訪問販売で長時間居座られた。
- 訪問販売で契約し代金を払ったが、工事をしないまま連絡が取れない。
- 設置後に雨漏りがあり、修理してもらったが、再び雨漏りがする。
- 契約したが相場より高いようなのでクーリングオフしたい。
といった内容が増えているようです。
訪問販売や電話の勧誘では、見積もり依頼や契約をしてはいけない
おそらく、どこの家庭でも電話で勧誘を受けたり、訪問販売を受けたりした経験はあると思います。でも、そういった業者の多くは、あまり信用できる業者ではないと思われます。今や優良業者は、注文が次々入って人手が足りないぐらいの状況なのですから。
訪問販売では、多くの場合、相場よりも高い費用を提示します。しかも、「ローンを組んでも売電収入で月々の支払いはそれで十分まかなえる」とか、ひどい場合には「自己資金は全くいらない」とか平気で言います。こういう業者は要注意です。
訪問販売や電話勧誘では、シミュレーションを依頼したり、契約したりしないほうがよいでしょう。