固定価格買い取り制度 Q&A ①
(2012年4月28日)
固定価格買い取り制度が2012年7月からスタートします。この機会に早めの太陽光発電導入のご検討をおすすめします。
太陽光発電など自然エネルギー発電を普及させるために、太陽光、風力、中小水力、地熱、バイオマスを活用して発電する電力を、電力会社に買い取るよう義務付けるものです。
エネルギーそれぞれによって、買取単価、買取期間が異なります。
すでに太陽光発電の余剰電力については、2009年度から買い取り制度が始まっています。これは「太陽光発電の余剰電力買い取り制度」と呼ばれます。2011年度は一般住宅が42円/kwh、事業所や工場などは40円/kwhで、この買い取り価格は2012年6月まで延長されました。
2012年7月以降は、太陽光以外の自然エネルギーを含めて、しかも発電した全量を買い取ることになります。これが「再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度」です。
電力買取価格には、発電に必要な費用に加え、一定の「儲け分」が上乗せされています。そのため発電会社は確実に利益がでます。欧州では、同じような買い取り制度で発電会社が増え、自然エネルギーが大きく伸びました。日本でも、この制度によって、企業の自然エネルギー発電への参入が大きく進むことが期待されます。
同時に、今はまだ高額の住宅用太陽光発電システムも、技術開発と量産化で価格低下が進み、個人宅での太陽光発電も促進されることになります。
太陽光発電に関しては出力10kw未満のものは、これまで通り余った電力(余剰電力)だけの買取です。一般家庭の場合、標準的な発電容量が4kwといわれていますから、ほとんどの家庭では10kw未満の太陽光発電システムに該当するでしょう。
ですから個人の住宅で太陽光発電システムを利用して発電した電力は、これまで通り、自宅で使って余ったものだけが買い取り対象となります。
なお、個人であっても10kw以上の太陽光発電システムを設置するばあいには、全量買取となります。
太陽光発電の買取は、10kw未満か10kw以上かによって、余剰電力買取か全量買取かに区分されます。個人の住宅に設置するかどうかが区分の基準ではないので注意してください。
買い取り期間は、設備の平均的な耐用年数をもとに決められました。太陽光は10kw未満が10年間、10kw以上を20年間としたほか、風力は20年、地熱は15年間とされました。この期間は固定価格(一般住宅用であれば42円/kwh)で買い取られます。
買い取り価格は、今後、再生可能エネルギーの普及にともないシステムの導入費用も下がることが見込まれるため、価格は定期的に見直され、下がっていく方向です。
いま太陽光発電を導入すれば、42円/kwhで買い取ってくれますが、買い取り価格が改定された後で太陽光発電を始めた場合には、その時点の買い取り価格になります。
買取価格が高いうちに太陽光発電を設置するか、今後もっとシステムの価格が下がってから設置するか、判断のしどころです。
「Q&A ②」では、買い取り費用を誰が負担するのかについて解説しています。
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