「原発ゼロで電気料金2倍」のごまかし

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原発ゼロでも全原発稼働でも将来の電気料金に大差はない

(2012年11月11日)

政府や経済界・産業界は、「原発をゼロにすれば電気料金が2倍になる」と言って危機感をあおっています。しかし、この主張にはごまかしがあります。

 

その主張の根拠となっているのが、政府が2012年6月に示したエネルギー・環境会議の資料です。

 

そこでは、2030年に原発依存度を「ゼロ%」「15%」「20〜25%」の3つのパターンに分け、「ゼロシナリオ」「15シナリオ」「20〜25シナリオ」を描いています。

 

福島第一原発事故前の2010年の原発依存度は約26%ですから、「20〜25シナリオ」というのは、全原発稼働とほぼ同じ状態と言えます。

 

その中で、2010年の家庭の電気代1万円/月に対して2030年にはいくらになるかを4つの機関が試算した結果を載せています。その試算結果をまとめたものが下のグラフです。

 

4つの機関とは、「国立環境研究所」「大阪大学・伴教授」「慶應義塾大学・野村准教授」「地球環境産業技術研究機構(RITE)」です。

 

2030年の電気料金試算

※ 「エネルギー・環境会議」の資料より作成。

 

政府が公表した2030年の電気料金は、試算した機関によって異なります。その中で、「原発をゼロにすれば電気代が2倍になる」というのは、地球環境産業技術研究機構(RITE)の試算です。

 

2010年に月額1万円の電気料金が、「原発ゼロ」の場合、2030年には月額2万円になると試算しています。

 

しかし、注意してみてください。同機構は、原発依存度を20〜25%にした場合でも電気料金は月額1万8千円になると試算しているのです。

 

つまり、政府などが主張の根拠としている地球環境産業技術研究機構(RITE)の試算によれば、原発をゼロにしても、全原発を稼働させても、2030年の電気料金に大差はないのです。それを、あたかも原発をゼロにした場合のみ電気料金が値上げになるかのようにごまかしているのです。

 

また、国立環境研究所の試算では、原発依存度がゼロでも20〜25%でも、2030年の料金は月額1万4千円と変わりません。

再生可能エネルギーは普及すればコストが下がる

「自然エネルギーはコストが高い」と言われますが、これも正しくありません。もちろん、初期投資には一定の費用がかかります。しかし、大規模な普及と技術開発が進めば、そのコストは大幅に低下していきます。

 

一般的に設備の製造コストは、「普及量が2倍になると、だいたい2割安くなる」と言われます。 そして再生可能エネルギーのコストが電力料金より安くなれば、需要が増え、それがまた値段を下げる好循環になることが考えられます。

 

一方、石油などの化石燃料は、使えば使うほど資源が減るので価格が高くなります。また、原子力エネルギーはこれまで最も安いと言われてきましたが、原発事故のリスクや使用済み燃料の処分、地震や津波などの安全対策、事故処理などの費用を含めれば、実際は大変な金額です。原発が安いというのは全く恣意的な計算であったことは、今では明らかになっています。

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