再エネ賦課金が4倍

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再エネ賦課金が4倍超に

(2014年10月15日)

経済産業省は9月30日の新エネルギー小委員会に、認定済み(6月末時点)の再生エネ発電設備が全て運転を開始した場合の「再エネ賦課金」の試算を提出しました。

 

「直近の認定量が全て運転開始した場合の賦課金等について」(経済産業省 9月30日)

 

現在(2014年度)の賦課金単価は0.75円/kwhですが、認定済みの設備が全て運転を開始した場合には3.12円/kwhへ、現在の4倍超になることが分かりました。

 

電気の使用量が300kwh/月の標準的な家庭で、1ヵ月の負担金額は、225円から935円へと跳ね上がります。年間では1万1,220円が電気料金に上乗せされ、負担を強いられることになります。

 

固定価格買取制度がスタートした初年度(2012年度)が0.22円/kwhでしたから、それに比べると14倍超にもなります。

 

賦課金総額(単年度)では、現在運転開始分が6,500億円で、認定済みの発電設備が全て運転を開始すると2兆7,018億円にものぼるという試算が示されています。約2.7兆円を家庭や事業所など電力使用者が負担するわけです。

 

もともと0.5円/kwhを超えないよう運用することが約束

もともと再生エネ特措法(「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」)案を国会提出した政府は、再エネ賦課金が「0.5円/kwhを超えないようにする」ことを国会で約束していました。

 

ところが衆院で法案が修正されたことを理由に、負担上限について明言を避ける、無責任な答弁に後退しました。

 

当初の政府の説明

政府が再生エネ特措法案を国会に提出した当時、法案趣旨説明にあたり、海江田万里・経済産業大臣(当時)は、国会で次のような答弁をしていました。

再生可能エネルギーの導入拡大を図りつつも、固定価格買い取り制度による負担が重くなり過ぎないように、本制度による負担総額を軽減、限定するような工夫を講じてまいります。具体的には、本制度による賦課金がキロワットアワー当たり0.5円を超えないよう制度を運用してまいります。

(2011年7月14日 衆院本会議)

固定価格買取り制度の負担上限については、政府原案では、本制度の負担総額を抑制する観点から、キロワットアワー当たり0.5円を超えないよう制度を運用することと考えておりました。しかし、衆議院による修正により、買取り価格等について、再生可能エネルギー発電事業者が受けるべき適正な利潤等を反映することや、電力多消費事業者の賦課金の軽減措置が設けられたこと等の趣旨を踏まえる必要があります

 

このため、引き続き賦課金の負担が電気の使用者に過重なものとならないよう配慮する必要はありますが、負担上限の在り方については様々な想定があり得るものと考えております。

(2011年8月24日 参院本会議)

 

再エネ賦課金単価の推移

固定価格スタートの2012年度から現在(2014年度)までの賦課金単価の推移と、設備認定済み(2014年6月末時点)の発電設備が全て運転を開始した場合の再エネ賦課金単価は次の通りです。

 

2012年度 2013年度 2014年度 全て運転開始

0.22円/kwh

0.35円/kwh

0.75円/kwh

3.12円/kwh

再エネ賦課金の推移

 

制度開始3年目(2014年度)にして、すでに「0.5円/kwhを超えないよう運営する」という約束を果たせていません。こうなることを見越して、国会答弁を変更したのでしょう。負担抑制のための制度改正が急がれます。

認定済み設備が全て発電した場合の買取量と賦課金の電源別内訳(構成比)

買取量と賦課金の電源別割合

 

電源 買取量 賦課金
買取量 割合 金額 割合
太陽光
(住宅)

48億kwh

4.5%

1,554億円

5.8%

太陽光
(非住宅)

755億kwh

71.2%

2兆2,174億円

82.1%

風力

65億kwh

6.1%

782億円

2.9%

地熱

1億kwh

0.1%

34億円

0.1%

水力

22億kwh

2.1%

346億円

1.3%

バイオマス
廃棄物

169億kwh

15.9%

2,125億円

7.9%

(経済産業省の資料より作成)

 

このように圧倒的に太陽光発電(非住宅用・10kw以上)が多いのが分かります。買取量で7割、賦課金額で8割を占めますから、賦課金を押し上げているのは太陽光発電(非住宅用)であることは事実です。

 

太陽光発電は、他の発電設備に比べて事業を始めやすいのが特徴です。そういった「簡易さ」の割に買取価格が高かったため、太陽光発電に再エネ事業者が集中したことが背景にあります。

 

しかし、日本の再生エネ比率は、2013年の時点でも水力を除き、わずか2.2%にすぎません。ドイツやスペインの10分の1です。再生可能エネルギーの普及をさらに進めつつ、賦課金を抑制する制度作りが大切です。

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