太陽光発電は夏に故障が多い
(2014年11月11日)
「エコめがね」により太陽光発電の遠隔監視サービスを提供しているNTTスマイルエナジーの調査によると、夏場(7~8月)に機器の異常などで停止する太陽光発電が多いことが分かりました。
日経テクノロジーonline(2014年11月5日)で詳しく紹介されています。
「エコめがね」とは
「エコめがね」は、PCやスマホなどを使って、発電量や電力消費量、電気代、売電金額などをチェックできるサービスです。同時に販売・施工会社が遠隔で監視するので、発電量の低下や機器の停止など不具合を早期に発見でき、対処することができます。
「エコめがね」は、低圧(50kw未満)の太陽光発電システムを主な対象にしています。10kw以上50kw未満の低圧発電システム向けシェアは76%に達しているとされています。50kw以上の場合、「エコめがね」センサーを複数台設置すれば利用できますが、50kw以上の発電システムでの採用はほとんどないようです。
7~8月に発電停止が多い
NTTスマイルエナジーが、「エコめがね」を搭載した全国約9千ヵ所の太陽光発電設備について、6~9月の測定結果を調べたところ、システム異常や停止を検知した率が、想定以上に多いことが分かりました。
特に7月は3.9%、8月には5.1%にも上ります。6月が2.1%、9月が2.3%ですから、それらのほぼ2倍高くなっています。
おもにパワコンの運転停止が原因
主な原因は、パワーコンディショナーの運転停止です。
落雷による影響でパワーコンディショナーの安全機能が作動し、運転を停止するケースが多いようです。落雷の影響は、太陽光発電システムへの直接の落雷とは限りません。周囲へ落雷し、送電線などを伝わって高電圧がパワーコンディショナー達する場合にも、安全機能が作動し、運転を停止します。
その他、パワーコンディショナーを南側に設置していると、高温になり、停止するケースもあるようです。また、集電箱にカエルなどが侵入し、感電してブレーカーが切断されるケースもあったとされています。
故障に早期に対応するには遠隔監視サービスが有効
NTTスマイルエナジーによれば、「エコめがね」搭載システムのうち、5.1%が発電を停止していたということは、全国で運転開始している全ての低圧(50kw未満)太陽光発電システムに換算すると、約8,800ヵ所の発電設備が停止したことに相当するとしています。
運転停止や故障の早期発見と対応には遠隔監視サービスが非常に有効なのですが、監視システムを導入している事業者は2割にとどまっているようです。
発電システムが停止したまま気づかずにいると、売電量に大きく影響します。遠隔監視サービスを契約しておくことは、10kw以上の全量買取の場合、特に必要といえるでしょう。
また、シリコン系太陽電池は、もともと夏の暑さに弱いという特性があります。太陽光パネルが太陽の熱で高温になると、出力が低下することは避けられません。遠隔監視サービスを契約しておけば、夏の発電量低下が、太陽電池の特性によるものなのか、それとも故障にともなうものなのか、早期に判断し、必要な場合には対応することが可能です。