EV向け蓄電池の経験生かし低価格化を実現
(2015年5月3日)
米電気自動車(EV)メーカーのテスラ・モーターズが、据置型蓄電池を8月にも発売することを発表しました。
テスラは、高級スポーツEVで有名なメーカーです。EV向けにリチウムイオン電池を量産してきた経験を活かし、価格は、他社の据置型蓄電池の半額以下に抑えています。
テスラが売り出す家庭向け蓄電池は2種類。容量10kwhモデルと7kwhモデルです。
テスラのリチウムイオン電池と、日本国内メーカーのリチウムイオン電池の価格を比較してみましょう。
補助金差引前の価格では、テスラは4分の1から5分の1の価格、補助金差引後の価格でも、半額以下となっています。大幅な価格引き下げを実現しています。
メーカー | 容量 | 価格 | 補助金差引後価格 |
---|---|---|---|
テスラ |
10kwh |
3,500ドル |
|
7kwh |
3,000ドル |
|
|
京セラ |
7.2kwh |
147万円 |
94万円 |
東芝 |
6.6kwh |
137万円 |
87万円 |
※ 国内メーカーの価格は、国が蓄電池補助金を出す際の基準価格。補助金は上限値を適用。 一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)のデータより。
より分かりやすくするために、1kwhあたりの価格を比較すると次の通りです。
メーカー | 容量 | 価格 | 補助金差引後価格 |
---|---|---|---|
テスラ |
10kwh |
4.2万円 |
|
7kwh |
5.1万円 |
|
|
京セラ |
7.2kwh |
20.4万円 |
13.0万円 |
東芝 |
6.6kwh |
20.8万円 |
13.3万円 |
米国では、蓄電池が爆発的に普及する目安は「容量10kwh 2,000ドル」とされています。この水準に近づいたことで、今後さらなる価格下落が広がる可能性が出てきました。
テスラは、家庭向けと同時に、太陽光発電所やビルの非常電源など業務用の100kwhモデルも発表しました。こちらのモデルは、すでに電力会社から受注済みとされています。
政府は、2012年に「蓄電池戦略」を策定し、2020年に世界全体の蓄電池市場規模(20兆円)の5割のシェアを日本企業が獲得する目標を掲げました。その実現ため、政府としてのテコ入れ策も打ち出しましたが、安倍・自公政権のもと、原発回帰の動きが強まり、再生エネや蓄電池の普及拡大策が鈍っているように思えます。
なお、世界の据置型蓄電池市場の見通しについて、2013年に593億円だったのが、2020年までに、家庭用が5倍、電力系統向けが10倍、市場規模は6倍を超え3,906億円まで拡大すると予測(富士経済)されています。
蓄電池が従来の半額以下!米テスラが家庭・業務用発売関連ページ
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- 経済産業省の蓄電池戦略プロジェクトチームが、2012年7月4日、コスト低減等による蓄電池の普及の加速化に向けた課題を整理し、今後、実施すべき施策を取りまとめた「蓄電池戦略」を発表しました。
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