出力50kw以上の太陽光発電システムを低圧連系する方法
(2014年11月27日)
太陽光発電システムは、50kw未満なら低圧で系統連系できますが、50kw以上になると高圧連系しなければいけません。
ところが最近、50kw以上なのに低圧と表示された太陽光発電システムの広告を見かけることが増えました。出力が70kwや80kwを超える低圧太陽光発電というのも見かけるようになりました。
50kwを超えているのに、なぜ低圧なのでしょうか?
以前は、本来なら高圧連系すべきところを50kw未満に分割して低圧連系するケースが多々ありました。低圧敷地分割と呼ばれる手法です。しかし、2014年度からは低圧敷地分割は禁止されています。
低圧敷地分割以外に、50kw以上の太陽光発電システムをどのようにして低圧連系させるのでしょうか?
ポイントはパワーコンディショナー
それは、パワーコンディショナーで出力のピークカットを行う方法です。
株式会社トールが販売している「トリナソーラー低圧セット77kw」で見てみましょう。公称最大出力255Wのトリナソーラー製の太陽光パネル300枚を設置して、76.5kwの太陽光発電システムを組み立てるタイプです。
田淵電機製のパワーコンディショナー9.9kwタイプが5台セットになっています。パワーコンディショナー5台分の最大出力は49.5kwです。
つまり、太陽光パネル全体の出力は76.5kwあるのですが、パワコンが49.5kwの出力以下に抑えるわけです。出力76.5kwならば高圧連系しなければいけないのですが、パワコンが49.5kwに最大出力を抑えるので低圧連系が可能というわけです。
しかし、これではパワコンがカットした27kw分がもったいない気がしますね。ところが、そうでもないのです。
図の緑色の部分が一般的な49kwタイプの発電量、オレンジの部分が77kwタイプの発電量です。出力の大きい77kwタイプの方が日射量の少ない朝のうちから発電量は多くなり、より早く49,5kwに達します。午後からも、より長く49.5kwを維持し、夕方にかけても多く発電します。
つまり、49.5kwを超える部分はカットされても、1日の総発電量は圧倒的に多くなるのです。それだけ売電量も多いということです。
ただし、カットされる部分の方が多いと意味がありません。実際の発電量は、太陽光発電システムを設置する地域や環境に依存しますから一概に言えない部分もありますが、「環境ビジネス」(2014年1月20日号)の記事によれば、ピークカットで失われる電力量は意外と少なく、「Looop」の「MY発電所キット72」(72kwタイプ)で、一般の低圧太陽光発電システムに比べて、約1.4倍の年間発電量を実現可能とされています。
出力を大きくすると、それだけ太陽光パネルの枚数が増えるので、価格も高くなりますが、DIY方式の太陽光発電システムなら費用を抑えることも可能で、早期投資回収を図り、その後の売電収入を多く得る上では、1つの選択肢となるでしょう。
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