太陽電池の国内出荷量が2年で6倍
(2014年7月7日)
太陽電池モジュールの国内出荷量(出力ベース)は、太陽光発電協会が公表した統計によれば、再生可能エネルギーの全量固定価格買取制度が導入される前の2011年度と比べて、2013年度には6倍に増えました。
太陽光パネル国内出荷量(単位:kw)
2008年度 | 2009年度 | 2010年度 | 2011年度 | 2012年度 | 2013年度 |
---|---|---|---|---|---|
236,856 |
623,127 |
1,062,914 |
1,404,149 |
3,809,451 |
8,545,732 |
※ 太陽光発電協会の統計データをもとに作成
2013年度は産業用(10kw以上)が7割超
対前年度比では、全体では2.2倍ですが、住宅用(10kw未満)と産業用(10kw以上)でみると、住宅用が1.3倍、産業用が3.2倍といったように産業用が大きく伸びています。
住宅用と産業用の構成比の変化をみると、2012年度は住宅用49%、産業用51%だったのが、2013年度には、住宅用28%、産業用72%と、産業用が7割を超えました。
太陽光パネル国内出荷量【住宅用・産業用別】(単位:kw)
2012年度 | 2013年度 | 伸び | |
---|---|---|---|
住宅用 (10kw未満) |
1,868,969 (49%) |
2,367,037 (27%) |
1.3倍 |
産業用 (10kw以上) |
1,937,671 (51%) |
6,176,635 (72%) |
3.2倍 |
合計 | 3,806,640 |
8,543,672 |
2.2倍 |
※ ( )内の数字は、各年度の構成比。
※ 電力応用商品と民生用を除いているので、合計量は下の表(国内製品・海外製品別)の合計量と一致しません。
※ 太陽光発電協会の統計データをもとに作成
2013年度は海外生産品が上回る
2012年度は国内生産の太陽光パネルが多かったのですが、2013年度は海外生産品が国内生産品を上回りました。
太陽光パネル国内出荷量【国内生産品・海外生産品別】(単位:kw)
2012年度 | 2013年度 | 伸び | |
---|---|---|---|
国内生産品 |
2,365,959 (62%) |
3,731,429 (44%) |
1.6倍 |
海外生産品 |
1,443,492 (38%) |
4,814,303 (56%) |
3.3倍 |
合計 | 3,809,451 |
8,545,732 |
2.2倍 |
※ ( )内の数字は、各年度の構成比。
※ 太陽光発電協会の統計データをもとに作成
四半期ごとの太陽光パネル出荷量をみると、全量固定価格買取制度が導入される前の2012年4-6月期は、国内製品が33万kw、海外製品が12万kwでしたが、2013年度第4四半期には、国内製品が123万kw、海外製品が155万kwと、国内製品の伸びが約4倍に対し、海外製品は約13倍にも伸びています。
これは、固定価格買取制度の開始とともに海外メーカーが日本市場になだれ込んできたこと、国内メーカーが生産の海外移管や海外メーカーからのOEM調達を進めていることが背景にあります。
低価格が売りの海外メーカー製品は、主にメガソーラーなど大規模な太陽光発電設備に採用されています。
一方、国内メーカーの製品は、性能や品質、信頼性、きめ細かな品ぞろえを売りに、主に住宅用や中小型太陽光発電に採用されています。
産業用太陽光発電の国内市場は2014年度をピークに縮小 !?
このように急速に拡大している太陽光発電ですが、民間シンクタンクの調査リポート(矢野経済研究所2013年9月)では、今後の国内の太陽光発電システム市場は、住宅用太陽光発電は新築向けが拡大基調で推移するものの、産業用太陽光発電は2014年度をピークに縮小に転じると予測しています。
固定価格買取制度の電力買い取り条件の悪化が大きいようです。やはり太陽光発電システムを設置するなら、2014年度中がよさそうです。