太陽光発電導入ガイド

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電力5社の再エネ新規受け入れ停止・中断の根拠は乏しい

(2014年10月22日)

電力5社(北海道・東北・四国・九州・沖縄)が、再生可能エネルギーの新規受け入れを中断することを9月末に発表しました。太陽光が増えすぎて、契約済みの発電設備が全て発電を開始すると、電力の需給バランスが崩れ、安定した電力供給ができず、停電になる恐れがあるという理由です。

 

しかし、電力会社の説明は、到底納得できるものではありません。

 

系統接続を申し込みした発電設備が「全て発電すると」というのは、定格出力(公称最大出力)での話です。しかし太陽光発電設備が定格出力で発電することはありえません。

 

定格出力というのは、ある特定の条件のもとでの数値です。実際に太陽電池を設置する際、定格出力を計測するときと同じ条件・環境を再現することなどできません。そのため、設置場所の環境などにより、実際の出力は定格出力の7割程度になるといわれています。

 

また、申し込みをした発電設備のうち、すでに事業を廃止したものや国の認定が取り消されたものがあります。

 

買い取り価格の高いうちに国から認定だけ受けて、場所も設備も未決定というケースが多かったことから、経済産業省が調査し、不適切なものは認定の取り消しを行っています。資金を準備できず事業廃止になったケースも少なくありません。現在、その調査を行っています。

 

2014年8月時点の調査結果によれば、2012年度認定設備のうち約1割(9.7%)が「取り消し・廃止」となっています。今後調査予定が14.5%あります。2013年度認定分については、まだこれからの調査になります。

 

つまり、電力会社に系統接続を申し込んでいても、発電しない設備が、現在でも少なくとも1割あり、今後さらに増えることは間違いありません。

 

再エネ受け入れを中断した電力会社の理由は、根拠に乏しいといわざるを得ません。

 

導入済み再エネの発電実績など、送電線網に関する具体的なデータも公表せず、「停電の恐れがある」などと国民を脅す電力会社の姿勢は、決して容認できるものではありません。

 

9月末に照準を合わせた電力会社の一斉「買い取り中断」発表は、電力会社と経済産業省が、事前に示し合わせていたと言っても過言ではないでしょう。

 

太陽光発電協会の鈴木伸一事務局長が、「関係者から聞いたところでは、当初、九電は『1年程度の受付停止』を、経産省に打診したようですが、それでは世間の理解が得られないとして差し戻され、何度かやりとりするなかで『数カ月間、回答を保留する』という形で落ち着いたようです」とインタビューの中で話しています。

日経テクノロジーonline 2014年10月22日

 

原発再稼働を前提とした露骨な「再エネつぶし」

電力会社は、再エネの受け入れを拒否する一方で、例えば、関西電力が仙台市に石炭火力発電所を建設し、その電力を電力を東北電力の送電線網を使って首都圏へ送る計画が具体的に進んでいます。東北電力は再エネ電力は受け入れられないのに、石炭火力発電所の電力は受け入れられるのですね。

 

また、九州電力の川内原発再稼働はじめ、電力会社は原発再稼働には熱心です。政府もエネルギー基本計画で原発を「ベースロード電源」と位置づけ、原発再稼働を企てています。

 

本来、再エネ特措法では、電力会社は、自らの火力等の出力抑制を行い、再生可能エネルギーを優先的に引き受けるよう義務付けられています。それにもかかわらず、再生可能エネルギーの受け入れを拒否し、自らの原発や火力発電を優先しているのです。

 

経済産業省は、送電線網の接続可能量を検証するとしていますが、結局は、電力会社の姿勢を容認しています。

 

こうした電力会社や国の姿勢は、原発再稼働を前提とした露骨な「再エネつぶし」に他なりません。

 

太陽光を安定的に系統に取り入れる技術はある

電力会社は、太陽光や風力は安定供給が難しいことを理由に、接続を拒んでいます。

 

しかし、再生可能エネルギーの割合を高めているドイツやデンマークでは、太陽光など変動電源を安定的に取り込むための系統運用技術があります。

 

本来なら固定価格買取制度導入後、国の責任で送電線網の改善・増強をすべきだったのではないでしょうか。改善策を電力会社任せにせず、国が積極的に指導・助言することが必要です。

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