太陽光発電は「FIT認定設備」から「FIT認定外設備」に対象変更
(2016年4月28日)
グリーン投資減税(エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却又は特別控除)の適用期間が2018年(平成30年)3月31日まで、2年間延長されました。
ただし、太陽光発電については、対象設備が変更となっています。
対象となる太陽光発電設備
太陽光発電については、2016年度からグリーン投資減税の対象となる設備が変更になりました。
従来は、固定価格買取制度(FIT)の認定を受けた10kW以上の太陽光発電設備が対象でしたが、2016年度からは、固定価格買取制度の認定を受けていない10kW以上の太陽光発電設備が対象となります。
つまり、自家消費型の太陽光発電設備が、グリーン投資減税の対象となります。
2015年度まで | 2016年度以降 |
---|---|
10kW以上のFIT認定設備 |
10kW以上のFIT認定外設備 |
優遇措置の内容
青色申告書を提出する個人・法人が、グリーン投資減税の適用対象となります。
2016年(平成28年)4月1日から2018年(平成30年)3月31日までの期間内に取得し、その日から1年以内に事業の用に供した場合、事業の用に供した日を含む事業年度において適用が受けられます。
税制優遇措置には、特別償却と税額控除があり、いずれかを選択します。重複適用は認められません。
- 普通償却に加えて取得価額の30%相当額の特別償却
- 中小企業者等に限り、取得価額の7%相当額の税額控除
税額控除は、中小企業者等に限られています。つまり、中小企業者等は、「30%特別償却」か「7%の税額控除」か選択が可能です。
ただし、供用年度の所得に対する法人税の額(個人の場合は供用年の事業所得に係る所得税の額)の20%相当額が、税額控除の限度となります。
中小企業者等とは?
税額控除を受けられる中小企業者等は、次のように定められています。
- 大企業の子会社等を除く資本金1億円以下の法人または資本・出資を有しない法人のうち、常時使用する従業員数が1,000人以下の法人
- 個人事業者は、常時使用する従業員数が1,000人以下
- 農業協同組合、商工組合、漁業協同組合、森林組合など
グリーン投資減税の特別償却には、30%特別償却のほか、100%即時償却もありますが、太陽光発電についての100%即時償却は、2015年3月31日で終了しています。
【参考】⇒ 「30%特別償却」と「7%税額控除」の違いは?
まとめ
グリーン投資減税は、青色申告する個人や法人が、対象となる設備を取得し、1年以内に事業の用に供した場合に、減価償却資産の特別償却または税額控除の適用を受けられる制度です。
政府は、固定価格買取制度により再生エネの中でも参入しやすい事業用太陽光発電が急速に拡大したという認識のもと、事業用太陽光発電については、自家消費型の支援にシフトしてきたようです。
自家消費型の事業用太陽光発電を導入する場合には、国の補助金(再生可能エネルギー事業者支援事業費補助金)も用意されています。
ただし、「再生可能エネルギー事業者支援事業費補助金」と「グリーン投資減税」の併用はできません。
自家消費型太陽光発電の関連ページ
太陽光発電設備のグリーン投資減税2016年度からの変更点関連ページ
- 太陽光発電2016年度買取価格
- 経済産業省の有識者会議「調達価格等算定委員会」が2月22日、2016年度(平成28年度)の太陽光など再生可能エネルギーの買取価格案を示しました。
- 自家消費型事業用太陽光発電設備向け国の補助金
- 固定価格買取制度の認定を受けない自家消費型の再生可能エネルギー発電設備の設置に国の補助金制度が2016年度(平成28年度)創設されました。
- 太陽光発電コストは2025年までに6割下がると国際機関が予測
- 国際再生可能エネルギー機関(IRENA)が、2016年6月15日、太陽光発電のコストは2025年までに59%下げられるという報告書を発表しました。
- 住宅用太陽光パネル価格下落に弾み|海外メーカー家庭向け本格参入
- 太陽光パネル海外メーカーが、家庭向け太陽光パネル市場に本格参入を進めています。今後、住宅用太陽光パネルの価格下落に弾みがつきそうです。