再生可能エネルギーで発電した電気だけを買いたいとき
「自然エネルギーを中心とした電力の供給をめざす会社」を、パワーシフトキャンペーン運営委員会がWEBサイトで紹介していますから、そちらを参考にしてみてください。
再生エネ発電設備からの電力調達を中心とする新電力会社が掲載されています。
※ パワーシフトキャンペーン運営委員会がWEBサイトにリンクしています。
ただし、2016年4月からの電力小売り自由化当初から電力供給を始められる会社は多くありません。
再生エネ電力会社は、小規模事業者が多く、人員確保や顧客管理システムの構築に手間取っていること、発電コストが高いため電力乗換えにあたって重要視される電気料金の安さを訴求できないこと、FIT(固定価格買取制度)を適用した再生エネ電力を「グリーン」や「クリーン」とうたって販売することが国から禁止されていることなどが、背景にあるようです。
パワーシフトキャンペーン運営委員会は、環境NGOや市民団体などで構成され、自然エネルギー中心の持続可能なエネルギー社会にむけて、電力(パワー)のあり方を変えていくことをめざしています。
「100%自然エネ電力」の購入は難しい
多くの電力小売事業者が、複数の電源を持っていたり、市場や他社から調達したりしているので、「100%自然エネ電力」を購入することは、難しいのが現状です。
しかし、パワーシフトキャンペーン運営委員会が紹介しているように、「再エネ・自然エネに力を入れている会社」から電気を買うことはできます。
それぞれの電力会社が、電気をどのように発電しているかは、電源構成を見れば知ることができます。事業者が直接発電した電気は、原子力・石炭・太陽光など、種別と比率が示されます。ただし、卸電力取引所から調達した電気は、種別は示されますが比率は示されません。
電源構成の開示は義務化されなかった
電力小売事業者による電源構成の公開は、経済産業省が2016年1月29日に公表した「電力の小売営業に関する指針」で、「望ましい」とされているだけで、義務化はされていません。
電源構成を開示することの意義については、経済産業省も認めています。
小売電気事業者が電源構成等の情報を開示した場合には、需要家が小売電気事業者や電気料金メニューを選択するに当たって、価格に加え、電源構成など他の要素も比較した上で選択することが可能となる。
また、電源構成等の開示が行われると、価格以外の特性を差別化要素とした競争が生じ、より競争的な電力市場の実現に資することが期待される。
にもかかわらず、経済産業省が電源構成の開示を義務化しなかったのは、「小規模な事業者にとって負担となる」などとしていますが、原子力発電や石炭火力発電に依存する大手電力会社に配慮した結果といわざるを得ません。
再生エネ電力が各家庭に直接届くわけではない
自然エネ電力・再エネ電力を購入したいとしても、送電網を経由して送られてくる電気は、再エネ電力そのものが送られてくるわけではありません。
ある発電所の電気は、他の発電所の電気と混ざります。特定の発電設備から電気の供給を受けることはできません。
つまり、再生エネ発電設備で発電した電力も、石炭火力発電所や原子力発電所で発電した電力も、混ざって送られてきます。
ですから、私たち消費者が、再エネ中心の電力会社との契約を広げることで、原子力発電や石炭火力発電などの電力を、市場から追い出すことが大切になるのです。
100%自然エネルギー電力を使いたいなら、自宅に太陽光発電や蓄電システムを設置して、電気を自家発電・自家消費するのが一番です。
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