再生エネの今後の導入拡大策を経産省が取りまとめ
(2014年12月19日)
経済産業省は12月18日、再生可能エネルギーの今後の導入拡大策の今後の検討課題を取りまとめ、発表しました。
再生可能エネルギーの受け入れ可能量を拡大するため、蓄電池の導入支援が示されました。
- 再生エネ発電事業者が設置する蓄電池の導入支援を検討。
- 電力会社が系統に設置する大規模蓄電池の実証事業の支援を検討。
中長期的な検討課題として次のようなことが示されました。
- 電力会社単位ではなく、日本全体で最も効率的に再生可能エネルギーを受け入れる観点から、広域的な系統利用を可能とするシステムを構築するため、優先給電指令や地域間連系線の利用ルールを見直す。
- 固定価格買取制度全体の見直しの中で、広域的な再生可能エネルギーの受け入れにともなう電力会社間の新たな精算ルールや、地域内系統、地域間連系線の強化に必要となる費用の新たな分担方法等の検討を速やかに開始する。
- 今後のエネルギーミックスの検討と併せ、地域内系統や地域間連系線の増強方針等について検討し、その検討結果をふまえ、広域的運営推進機関等の場において、その具体化を図る。
再生可能エネルギー電源の接続時に、エリア全体の接続可能量に余裕があるものの、その接続のために一定の送変電設備の増強が必要となる場合に、系統接続費用に関する入札募集方式の導入を行うとされました。
再生可能エネルギー電源の系統連系の増加にともない、ローカルエリア内の上位系統の増強も必要となるケースが増加しています。このような場合には、対象となる工事規模・範囲が大きくなるため、特定負担分の費用が高額になる場合も想定されます。
また、多数の再生可能エネルギー事業者等が同一地域において連系を希望する場合、当事者(そのエリアの一般電気事業者及び再生可能エネルギー事業者等)間で特定負担分の費用の配分方法について協議が整わず、工事を進めることができなければ、すべての再生可能エネルギー電源等の連系が困難になります。
そのため、このような場合には、系統接続費用に関する入札募集方式の導入を行うべきではないかということが検討されてきました。
工事費負担金の単価について、最低落札単価を決めた上で入札募集を実施し、所要の増強枠に達した場合は、入札負担金単価の高い順に順位を付け、落札者を決定し、当該落札者は速やかに各自が申し出た工事費負担金を入金するというものです。
参考:第7回新エネルギー小委員会への提出資料「送変電設備増強時の費用負担方法について」
関連ページ
おすすめのページ
再生エネ今後の導入拡大策|蓄電池の導入支援・送電網増強関連ページ
- 新たな出力制御ルール/出力抑制対象設備の拡大
- 経済産業省は12月18日、再生可能エネルギーの新たな出力制御ルールを取りまとめ、発表しました。500kw未満の発電設備も対象とし、時間単位で出力制御できる仕組みにします。
- 電力会社ごとの対応方針/指定電気事業者制度の活用
- 経済産業省は12月18日、電力会社による再生可能エネルギーの接続保留問題で、電力会社ごとの今後の対応方針を取りまとめ、発表しました。指定電気事業者制度の活用を拡大します。
- 買取価格の決定時期/接続申込時から接続契約時へ
- 経済産業省は12月18日、再生可能エネルギー固定価格買取制度の見直し内容を決定し、発表しました。買取価格の決定時期は、接続申込時から接続契約時に変更されました。
- 太陽光発電に対する出力抑制ルールの電力会社別適用一覧
- 2015年1月26日の再エネ特措法施行規則(経済産業省例)改正により新たな出力抑制ルールが適用されますが、電力会社ごとに異なるので注意が必要です。