再生エネ発電抑制を拡大|経産省が新たな出力制御ルールを発表

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新たな出力制御ルール

(2014年12月19日)

電力5社の接続保留問題を受け、経済産業省が12月18日に取りまとめた対応策の柱の1つが、再生可能エネルギーの新たな出力制御ルールです。

 

新ルールの適用は、来年の1月中旬(改正省令の施行日から)となります。

 

改正省令施行後の申込みに対しては、新ルールが適用されますが、それまでの申し込み案件については、現行ルールが適用されます。

 

住宅用太陽光発電の発電抑制を4月に延期する方針を経済産業省が2015年1月16日に自民党の再生エネ拡大普及委員会で示しました。

 

太陽光発電設備に対する「現行ルール」と「新ルール」の比較

  現行ルール 新ルール
出力制御対象 500kw以上 500kw未満にも拡大
無補償の出力制御の上限 1日単位で年30日 時間単位で年360時間
遠隔出力制御システム 設置義務なし 設置を義務付け

電力会社が指定電気事業者として指定され、接続申込量が接続可能量を超えた場合、無補償の出力制御の上限はなくなります。つまり電力会社は、上限の360時間を超えても補償なしで出力抑制を行うことができます。(⇒下の④参照

 

出力制御の対象を拡大

現在は、500kw以上の太陽光発電が出力制御の対象ですが、それを500kw未満の太陽光発電にも拡大されます。つまり、家庭用太陽光発電も含めて、すべての太陽光発電設備が出力制御の対象となります。

 

なお、非住宅用太陽光発電(10kw以上)を先に出力制御し、住宅用太陽光発電(10kw未満)は、できるだけ出力制御せずに済むよう「優先的な取り扱いを行う」とされています。

 

参考ページ

 

「30日ルール」を時間制へ

現行ルールでは、1日単位での制御を前提として、年間30日まで、電力会社は発電事業者に対して無補償の出力制御を要請することができます。

 

それを時間単位での制御を前提として、太陽光発電については年間360時間まで、風力発電については年間720時間まで行えるよう制度を見直します。時間単位できめ細かく出力制御を行うことにより、接続可能量の拡大が見込めるからです。

 

太陽光が年間360時間というのは、太陽光は夜間に発電しないからです。ですから1日12時間の出力制御をするとすれば、360時間は日数では30日となり、これまでの上限と同等ということになります。

 

ただし、接続申込量が接続可能量を上回る場合には、30日を超えて無補償の出力制御を電力会社が行うことが可能となりました(⇒④参照)。

 

参考ページ

 

遠隔出力制御システムの導入義務づけ

遠隔制御用のパワーコンディショナー等の開発を進め、出力制御の対象となる事業者に対し、その導入を義務づけます。太陽光発電設備の場合は、家庭用も含め、改正省令施行後(来年1月中旬以降)の申込みは全て義務付けの対象となります。

 

なお、遠隔制御システムの構築には、一定の時間を要する見込みなので、「当分の間は、制御に必要な設備の設置や費用負担を行うことを予め約した上で接続することとする」とされています。

 

参考ページ

 

 

指定電気事業者の拡大

接続申込量が接続可能量を既に上回っている電力会社、または上回ると見込まれる電力会社に対しては、「指定電気事業者制度」を活用し、接続申込量が接続可能量を上回った場合には、30日を超えて無補償の出力制御を受ける可能性があることを前提に接続することを可能としました。

 

その際、時間単位での出力制御を可能とできるよう遠隔出力制御システムの導入を義務づけます。

 

指定電気事業者とは、接続申込量が接続可能量を超過した場合には、年間30日の出力制御の上限を超えた無補償の出力制御を前提として、再生可能エネルギーの系統への連系ができるよう経済産業大臣から指定された一般電気事業者のことです。

 

改正省令施行後は、500kw未満の発電設備も、指定電気事業者制度の下での出力制御の対象となります。ただし、住宅用太陽光発電(10kw未満)については、指定電気事業者制度の下においても、非住宅用太陽光発電(10kw以上)を先に出力制御を行うなど優先的な取り扱いを行うとされています。

 

すでに指定電気事業者として指定を受けている北海道電力(2013年7月12日に指定)に加え、受け入れを中断している東北、四国、九州、沖縄の4電力会社と、受け入れが難しくなりそうな中国、北陸の2電力会社を、12月22日付けで指定電気事業者として指定します。

 

これにより、7電力会社(北海道、東北、北陸、中国、四国、九州、沖縄)が指定電気事業者となり、7電力管内では、接続申込量が接続可能量を上回った場合には、年間30日を超えた無補償の出力制御を受ける可能性があることを前提に接続することが可能となります。

 

発電事業者がそれに同意しなければ、電力会社は接続を拒否できます。指定電気事業者に指定された電力会社は、補償金なしで発電抑制を無制限にできるようになります。

 

今後は、遠隔出力制御システムによって電力会社が出力抑制をできるようになりますから、これまで以上に電力会社の運用の透明性が求められます。

 

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