固定価格買取制度の運用見直しを決定
(2014年12月19日)
経済産業省は12月18日、固定価格買取制度の運用見直しを決定し、発表しました。
買取価格が決まった後も設備費が下がるまで発電を始めず、不当な利益を得ようとする事業者を排除し、国民の負担を減らするとともに、事業熟度の高い後発の事業者が参入しやすくするためです。
買取価格の適用時期を接続契約時に変更(2015年4月~)
買取価格の決定時期を「接続申込時」から「接続契約時」に変更します。より運転開始時に近い時点の買取価格が適用されます。2015年4月より適用予定です。
現行制度では「設備認定」と「接続申込」のいずれか遅い方の時点の価格が適用されますが、この「接続申込」を「接続契約」に変更するものです。いずれか遅い方となっていますが、事実上、接続契約時点の価格が適用されることになります。
ただし、電力会社側の理由で、接続申込から270日を経過しても接続契約の締結に至っていない旨の電力会社からの証明書があれば、当該期間が経過した時点(接続申込の翌日から270日後の日)の買取価格を適用することになります。
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運転開始前に基本仕様を変更すると変更認定時の価格を適用(2015年2月~)
運転開始前に、「発電出力の増加」または「太陽電池の基本仕様の変更」を行う場合には、変更認定を受けることを求め、その「変更認定時」の買取価格に変更します。2015年2月以降の変更認定申請から適用予定です。
「基本仕様の変更」とは、太陽電池のメーカー・種類の変更、変換効率の低下が該当します。なお、変換効率の向上は除外されます。それに制約をかけると、メーカーの技術革新が阻害される恐れがあるという理由からです。
ただし、電力会社の接続検討の結果に基づく出力増加、10kw未満の太陽光発電設備の出力増加(増加後も10kw未満である場合に限る)、その太陽電池の基本仕様の変更、メーカーが製造しなくなったことにともなう太陽電池の基本仕様の変更については、例外的に買取価格を変更しないこととされています。
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運転開始後に出力増加を行うと増加部分は別設備として新たに設備認定(2015年4月~)
現在は、運転開始後に出力の変更があっても、買取価格は変更になりませんが、今後は運転開始後に、「発電出力の増加」を行う場合、増加部分を別設備として新たに認定し、その時点の買取価格を適用します。2015年4月以降の別設備としての認定(または変更認定)申請から適用予定です。
なお、事業者の選択により、変更認定により既認定部分を含めた設備全体について「変更認定時」の買取価格に変更することも認めるとしています。
ただし、10kw未満の太陽光発電設備の出力増加(増加後も10kw未満の設備である場合に限る)については、買取価格の変更はありません。
接続契約を締結し接続枠を確保したまま、接続契約締結後1ヵ月以内に接続工事費用が入金されない場合や、契約上の予定日までに運転を開始しない場合は、接続枠を解除できるとされました。
1月中旬の改正省令の公布日から施行予定です。
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開発行為が禁止されているエリアで、造成や工事が行われて初めて手続きが適正に行われていないことが発覚し、自治体とトラブルに発展するケースが多発しています。
太陽光発電の立地をめぐる地域トラブルを防止するため、認定時に関係法令の手続き状況について提出を求め、個々の案件の詳細情報とともに、地方自治体に提供することとなりました。
可能な限り速やかに実施予定とされています。
関係法令への違反が確定し、認定要件を満たさなくなった場合には、認定が取り消されます。
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