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HIT太陽電池の特徴
【ポイント】
- 変換効率が高い。
- 高温時の特性低下が少ない。
- 両面で発電することができる。
単結晶とアモルファスの長所をあわせ持つ
HIT太陽電池は、アモルファスシリコンと単結晶シリコンを積層したシリコン系太陽電池です。
- 単結晶シリコン太陽電池は、変換効率が高いのですが、高温になるほど変換効率が低下するという弱点があります。
- アモルファスシリコン太陽電池は、変換効率は高くありませんが、気温の影響を受けにくい(=高温に強い)という特性があります。
それぞれの良い面をあわせ持ったのがHIT太陽電池です。
単結晶シリコン太陽電池の方が、HIT太陽電池よりも変換効率は高いのですが、一般的に夏場など気温が高いと太陽光パネルの温度が非常に高くなり、変換効率が低下するという弱点があります。そのため実用面ではHIT太陽電池が有利といえます。
なお、メーカーの中ではパナソニックがHIT太陽電池を採用しています。
HIT太陽電池の構造
単結晶シリコンの表面と裏面に、極薄アモルファス層を形成し、さらにその外側に透明導電膜と銀電極を形成した構造です。
薄型アモルファス層を挿入することにより、界面での再結合を減らし、開放電圧を向上させています。さらに、光閉じ込め効果などの技術の併用により、高効率化が達成されています。
また、反射光などを利用して、裏面でも発電することができます。そのため、設置角度を調整することで、発電量を大幅に増加させることができます。
製造工程も、単結晶シリコン太陽電池が900℃であるのに対して、HIT太陽電池はそれよりもかなり低い200℃以下で行うことができるとされています。そのため、製造中に歪みが発生しにくく、単結晶シリコンだけの場合に比べて薄くしやすい利点もあります。
<参考文献>
- 『トコトンやさしい太陽電池の本』(産業技術総合研究所太陽光発電研究センター)
- ニュートン『最新ガイド 太陽光発電』(2011年8月)
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