2015年度10kw未満太陽光買取価格2円以上引き下げの方向

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2015年度10kw未満太陽光買取価格2円以上引き下げの方向

(2015年2月6日)

経済産業省は、2015年度の住宅用(10kw未満)太陽光発電の買取価格を2円以上引き下げる方向のようです(日経2月6日)。調達価格等算定委員会が月内にも価格を正式に算出します。

 

産業用(10kw以上)太陽光発電については、既に2段階で20円台後半の価格に引き下げの方向が固まっています。

 

住宅用太陽光発電については、今後も普及を促進させる方向であることから「引き下げるかどうかは今後の検討課題」とされていました。国が認定した太陽光発電設備の中で住宅用の占める割合は5%ほどなのですが、引き下げの方向で事業用太陽光発電と足並みをそろえることになったようです。

 

太陽光発電の買取価格は、事業用も住宅用も含めて3年連続の引き下げとなります。

 

2014年度の住宅用太陽光発電の買取価格は37円/kwhです。今年度中に契約すれば、現在の買取価格が10年間適用されます。

 

買取価格算定の根拠となるデータ

買取価格の算定にあたっては、直近のシステム費用と運転維持費が考慮されます。

 

直近のシステム費用

システム費用の直近のデータとして、前年10~12月期の平均システム価格(新築設置)が用いられます。平均システム価格は1kwあたりの設置費用のことで、新築設置と既築設置のデータがあります。

 

新築設置の平均システム価格を用いる理由について、調達価格等算定委員会は次のように説明しています。

新築設置の平均値を算定根拠に用いることについては、確かにその時点では既築設置も含めた全体の平均値より低い水準となるものの、全体平均の低下傾向を勘案すると、結果として、翌年度の全体の平均値の近似値となることが確認されている。

 

この1年間で平均システム価格がどれくらい下がったか見てみましょう。

 

  平均システム価格 下がった額
2013年10-12月期 2014年10-12月期
既築設置

42.6万円/kw

40.1万円/kw

2.5万円/kw

新築設置

38.5万円/kw

36.4万円/kw

2.1万円/kw

(太陽光発電普及拡大センター公表の実績データより)

 

2015年度の買取価格算定にあたっては、2014年10-12月期の新築設置の平均システム費用36.4万円/kwが、2015年度価格の想定値として用いられます。

 

運転維持費

運転維持費は修繕費や諸費として、定期点検費用やパワコン(パワーコンディショナー)交換費用が考慮されます。

 

住宅用太陽光発電設備の固定価格買取は10年間ですが、年平均運転維持費の算定にあたっては、実態として稼働する20年間を前提にします。

 

(2万円×5回+20万円)÷4.2kw÷20年間=約3,600円/kw/年

  • 定期点検費用…1回あたり2万円で20年間に5回
  • パワコン交換費用…20万円
  • 新築平均出力…4.2kw

 

運転維持費3,600円/kw/年は、2014年度の買取価格の算定の際に用いられた費用ですが、2015年度の算定にあたっても据え置かれる方向です。

 

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