再生エネ発電設備登録制・太陽光に上限を導入

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設備は認定から登録制へ、太陽光は買い取り上限設定

(2015年6月8日)

経済産業省は、再生可能エネルギー固定価格買取制度の再見直しに着手しました。

 

今月にも経済産業省の有識者委員会で議論を始め、専門の作業部会を設置し、年内に見直し案を固める方針です。来年(2016年)の通常国会で再エネ特措法(再生可能エネルギー特別措置法)を改正する見通しです。

 

おもな検討課題は、次のようなものです。

 

設備は認定方式から登録制へ

一定の要件を満たす再生エネ発電設備を国が認定し、発電した電力を固定価格で買い取る仕組みですが、今後は、電力会社との契約成立を条件とする登録制に転換する方向です。2017年の導入をめざします。

 

登録後は、事業者に発電データの提出やメンテナンスを義務付け、稼働状況を監視します。既存の発電設備は登録に切り替わり、電力会社と契約を結んでいない場合は、電力会社の都合によるものを除き、認定取り消しとなります。

 

新認定制度導入へ

 

太陽光に買取上限

天候に左右されずに発電できる地熱などの開発を後押しし、急増する太陽光は、買取総額に上限を設け、超過する場合には新たな買い取りを打ち切ることも検討されます。国民負担を抑えてバランスよく導入が進むよう制度を抜本的に見直すとしています。

 

昨年の固定価格買取制度の見直しの際にも総量制の導入が検討されていましたが、そのときには先送りされました。

 

現在のところ、太陽光の買取上限は、2兆3千億円の水準を軸に検討されているようです。政府が6月1日に示した2030年度の電源構成で、再生可能エネルギーは22〜24%とされています。それにもとづけば、再生エネの買い取り費用は最大で約4兆円。太陽光の買取費用は全体の6割弱で2兆3千億円程度になると見込まれているからです。

 

(参考:日経新聞6月8日、徳島新聞:6月4日)

 

なぜ、また見直し?

経済産業省は、昨年、九州電力など大手電力5社が再生エネの受け入れを中断したことを受け、接続の新ルールや買取制度の運用見直しを行いました。今年1月から新たなルールが始まっています。

 

電力会社の接続可能量が超過する恐れのある電力管内では、遠隔出力制御装置の設置が義務付けられました。これにより、電力会社は、いつでも再生エネの発電量を抑制することができるようになりました。

 

また、買取価格の決定時期が、「接続申込時」から「接続契約時」へと後ろにずらされました。買取価格の高いうちに申請だけして発電しない「空押さえ」を防ぐためです。

 

現在、施行規則を改定し、運用見直しで行っていますが、さらに制度を抜本的に見直し、法律の改正で行おうとするものです。

 

背景には2030年度の電源構成

背景には、政府が今月1日に、2030年度の電源構成(長期エネルギー需給見通し)をまとめたことがあります。原発回帰を鮮明にし、再生可能エネルギーを抑制する方向が示されました。

 

地熱、水力、バイオマスは、自然条件によらず安定して発電できるので、積極的に拡大する方向が示されたものの、太陽光や風力は、安定した発電が見込めないので、国民のコスト負担が許容可能な範囲で導入するとされました。

 

なお、住宅用太陽光発電は、エネルギーの地産地消の観点から推進することが示されています。急増する事業用太陽光発電の抑制が、明確に打ち出されました。

 

「長期エネルギー需給見通し」で、「固定価格買取制度については、…再生可能エネルギー間のバランスの取れた導入や、最大限の導入拡大と国民負担抑制の両立が可能となるよう制度の見直しを行う」と明記されています。

 

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