再生エネ発電設備を変更すれば買取価格を最新の価格に引き下げ

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再生エネ発電設備を変更すれば買取価格を最新の価格に引き下げ

(2014年11月5日)

経済産業省は、設備認定を受け買取価格が決まっているにもかかわらず、発電設備を建設せず、当初導入予定の設備よりも価格が下がってから発注した場合、買取価格をその時点の割安な価格に変更する方向で検討に入りました(日経・朝日11月5日報道)

 

家庭など電力消費者が負担する買取費用を抑えることがねらいです。

 

現在の固定価格買取制度では、国から設備認定を受け電力会社に接続申請した時点の買取価格が適用される仕組みです。一方で、再エネ発電設備、特に太陽光発電設備は、普及にともない設置費用が安くなっています。そのため、電力買取単価が高いうちに電力会社に申請だけしておいて、太陽光パネルなどの価格が下がってから設備を発注し、不当利益を得る業者がいます。

 

そのことが、買取費用を押し上げ、電力消費者の負担を増大させる要因の一つとなっています。それを改善しようというものです。

 

事業者が、当初導入予定の設備でなく、安い設備に仕様を変更して発注した場合などに、買取価格も認定時の価格から変更時の価格に引き下げることが検討されます。

 

買取価格の見直しについても、これまで年度末に行われ、翌年度から新しい価格が適用される仕組みになっていましたが、買取価格を半年ごとに見直すことも検討されています。

 

こうした措置により、発電設備の建設を遅らせる利点がなくなり、効率的な再生可能エネルギーの普及につながることが期待されます。

 

また、買取価格の決定時期を、国が設備認定し電力会社に接続申請したときから、系統への接続決定時にずらすことも検討されています。

認定を受けた設備の仕様変更にともなう変更申請条件の厳格化

現在、設備認定を受けた後、太陽光パネルのメーカー変更や型式変更など発電設備の仕様に変更があっても当初認定時の買取価格のまま変更されないという制度になっています。

 

資源エネルギー庁のQ&Aに次のような説明があります。

設備認定については、運転開始前に認定出力の20%以上の出力の大幅な変更(増減幅が10kw以上のものに限ります)があり、変更認定を受けた場合には、当該変更認定を受けた年度の価格が適用されます。

 

その他の事由による変更認定

  • 太陽光パネルのメーカー変更を伴う型式変更によるメンテナンス体制図の変更など
  • 軽微変更届出(太陽光パネルのメーカー変更を伴わない型式変更)、発電事業者名の変更、設備の所在地変更など

の場合は、適用される買取価格は変わりません。

※ このQ&Aは、2014年度のものです。

 

固定価格買取制度スタート当初、認定された発電設備の発電出力を変更する場合には、事前に「変更認定申請」手続を行う必要がありました。それが固定価格買取制度導入(2012年7月1日)後、わずか2か月後の8月27日より、一定の範囲内での出力変更については「軽微変更届出」により手続が可能となりました。

 

発電事業者が電力会社との契約手続きを速やかに進められるよう経済産業省が運用を変更しました。このことが、買取価格が高いうちに設備認定だけ受けて、システム価格が下がってから着工するという事業者を増やす結果となったのです。

 

「軽微な変更」とは

「軽微な変更」については、経済産業省令(電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則)第10条で次のように定めています。

 

 

経済産業省令で定める軽微な変更は、次に掲げる変更以外の変更とする。

  1. 認定発電設備に係る点検、保守及び修理を行う体制の変更
  2. 認定発電設備の大幅な出力の変更
  3. 認定発電設備に係る設備の区分等の変更を伴う変更
  4. 認定発電設備が供給する再生可能エネルギー電気の供給の方法の変更
  5. 認定発電設備が供給する再生可能エネルギー電気の計測の方法の変更
  6. 認定発電設備がバイオマス発電設備である場合にあっては、当該認定発電設備において利用されるバイオマスの種類の変更

 

ここで列挙された変更以外は全て軽微な変更になります。そして、軽微変更届出により変更できる出力の範囲は、認定された出力の±20%未満の変更、または±10kw未満の変更の場合のみ(発電設備区分の変更がある場合は除く)とされています。

参考:軽微変更届出の運用(資源エネルギー庁)

 

一度決まった買取価格を変更しやすい仕組みへ

上でご紹介した資源エネルギー庁のQ&Aにおいて、「ただし、太陽光パネルの型式を認定時から大幅に変える場合など、設備のコスト構造に大きく影響を与えるような変更を行う場合には、当該変更時の年度の価格を適用すべきとの意見を受けて、現在変更認定要件の見直しも含めて検討を行っており、今後パブリックコメント等の手続を経て対応方針を決める予定です。(H25.3.27更新)」という一文が付け加えられています。

 

設備の仕様が認定時から大幅に変更された場合は、当初の買取価格でなく、変更時の買取価格が適用となるよう、設備変更時の買取価格の適用条件について厳格化する方向で見直される見通しです。

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