再生エネ拡大方策として時間単位での出力抑制ルール作り検討
(2014年10月31日)
10月30日の経済産業省・系統ワーキンググループで、再生エネ発電事業者に時間単位で出力抑制を要請できるルール作りなど、再生エネ接続可能量の拡大方策について具体的な検討が始まりました。
現在は、日単位で発電の抑制を要請することができる仕組みです。出力抑制を要請できる対象は500kw以上の発電事業者で、年間最大30日まで無補償で要請できるルールです。
日単位でなく時間単位での出力抑制を要請できる仕組みになれば、供給が需要を上回る時間帯のみ、合理的に出力を抑制することができるようになります。
その他、蓄電池の設置、地域間連系線の増設などが検討項目としてあげられています。
また、再生エネの最大導入の観点から、「kwベース」(出力ベース)での導入量のみならず、「kwhベース」(発電量ベース)での導入量の評価を行うことが適当という考えが示されました。
時間単位での出力抑制のメリット
日単位による出力抑制の場合、朝夕の発電量の少ない、本当なら出力抑制の必要がない時間帯まで運転を停止することになります。それに対して時間単位での出力抑制なら、日中の抑制が必要な時間帯のみ効率的に抑制することができます。
出力抑制に応じる発電事業者にとっても、1日出力を落とすのに比べて、供給過剰になる特定の時間だけ出力を抑制する方が、発電量(kwh)を無駄に減らさなくてもよくなるというメリットがあります。
日単位で出力抑制すると、発電量のピークが「下げ代」より下になるよう出力調整するので、本来抑制しなくてもよい部分まで抑制されてしまいます。それに対して、時間単位の出力抑制は無駄な抑制がありません。
なお、時間単位の出力抑制ルールを導入するためには、現在の「前日までの電話連絡」に替わる新しいルール作りをはじめ、通信機器や管理システムの導入などが必要となります。それらの開発や費用についても検討されます。
接続可能量を拡大する方策のオプション
出力抑制の拡大と蓄電池設置による接続可能量を拡大する方策のオプションとして、経済産業省は次の4つを示しています。
現行制度での出力抑制は、対象となるのが500kw以上の設備で年間最大30日、蓄電池設置の義務付けはありません。
- 出力抑制を時間単位にして年間最大720時間、対象は500kw以上の太陽光・風力で、蓄電池なし。
- 日単位で最大60日まで拡大し、500kw以上の太陽光・風力が対象、蓄電池なし。
- 日単位・最大30日で、対象を全ての太陽光・風力に拡大、蓄電池なし。
- 日単位・最大30日、500kw以上の太陽光・風力が対象で、蓄電池を併設。
これらによって新規参入の枠を拡大することが検討されます。
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