住宅用太陽光発電の出力抑制ルールの適用を4月に延期

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住宅用太陽光発電の発電抑制を4月に延期

(2015年1月17日)

経済産業省は16日、住宅用太陽光発電に対する発電抑制ルールの適用を4月1日に延期する方針を示しました。当初は省令改正を行う1月中旬に適用とされていました。自民党の再生可能エネルギー普及拡大委員会で明らかにしました(徳島新聞1月17日付より)

 

そのため、住宅用太陽光発電については、3月までに電力会社に接続を申し込めば、発電抑制の対象にはなりません。また、遠隔制御装置の設置義務付けもありません。

 

また、発電抑制の新ルールを取りまとめた昨年12月18日には、発電抑制の対象設備は、住宅用も含めて全ての太陽光発電設備とされていましたが、電力会社管内により異なる方針が示されました。

 

  • 「再生エネ受け入れ容量に余裕がない」電力5社(北海道・東北・四国・九州・沖縄)の管内では、出力10kw未満の太陽光発電設備も対象とする。
  • 中国電力・北陸電力の管内では、50kw未満を4月に延期する。
  • 再生エネ受け入れに余裕のある東京電力・中部電力・関西電力の管内では、当面、50kw未満を発電抑制の対象から外す。

 

大規模太陽光発電所(メガソーラー)については、省令を改正し、来週中にも発電抑制の拡大ルールが適用される方向です。

 

パブリックコメントで反対意見が多かった

一部地域で出力抑制の新ルールの適用を延期したり見送ったりした背景には、パブリックコメントで反対意見が多かったことが背景にあるようです。

 

出力抑制は、電力会社が自社の火力発電を最大限減らしても電力が供給過剰になりそうなときに、太陽光や風力の発電を一時的に停止してもらうものです。

 

再生エネの受け入れを中断した電力会社が相次いだことから、経済産業省は、従来の500kw以上の発電設備を対象とした出力抑制ルールを、全ての太陽光・風力発電設備を対象に拡大する新ルールを昨年12月18日にまとめ、今月9日まで意見募集をしていました。

 

朝日新聞1月17日付に、経済産業省が16日、パブリックコメントの結果をまとめ、公表したとする記事があります。経済産業省のホームページには公開されていないので、16日に行われた自民党の再生可能エネルギー普及拡大委員会に経済産業省が示したのではないかと思います。

 

その記事によると「3,230件の中には反対意見も目立ち、経産省は一部地域で新ルールの適用を見送るなど対応を迫られた」とされています。

 

新たに住宅用太陽光発電が出力抑制の対象になることに対し、「送電網への負担が小さい家庭用の出力抑制は不要」「対象外にすべきだ」とする意見が目立ち、出力抑制の新ルール適用にあたって方針が修正されたようです。

 

また、再生エネの接続可能量として「全原発の稼働を前提にした試算を問題だ」とする意見も多く、経済産業省は「電源構成の見通しなどをふまえ、継続的に再検証する」と今後の対応を表明しています。

 

しかし、エネルギー基本計画で原発を「ベースロード電源」と位置づけ、再稼働を企てています。今月14日に閣議決定された2015年度政府予算案では、「原発施設立地地域基盤整備支援事業」を8億円から23億円に約3倍近く増やし、原発を再稼働したら交付金を配る新たな枠組みも作ろうとしています。

 

原発再稼働に固執するエネルギー政策を抜本的に転換することが必要でしょう。

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