中国の太陽電池大手サンテックパワーの子会社が破産

MENU
※当サイトでは記事内にアフィリエイト広告を含む場合があります。

「無錫サンテックパワー」経営破たん、法的整理へ

(2013年3月22日)

経営難に陥っていた中国の太陽電池大手のサンテックパワーホールディングスの子会社・無錫サンテックパワーが破産、法的整理の手続きに入りました。

 

このことに関し、サンテックパワーの日本における子会社・サンテックパワージャパンは、日本での事業には影響しない、すでに販売している太陽電池などの保証も継続する、といった内容の発表を行いました。

 

サンテックパワージャパンの発表の要旨は次のような内容です。

 

  • 中国銀行団(8社)が3 月18 日、無錫サンテックパワーの会社更生法申請を行った。
  • 無錫サンテックパワーは異議を申し立てる予定はない。
  • 裁判所が申請を受理すると、無錫サンテックパワーは管財人管理下に入り、再建に向けた支援を受けながら、従来通り工場の稼働を継続する。
  • すでに販売しているサンテックパワー製品の保証も継続する。
  • 親会社であるサンテックパワーホールディングス、およびサンテックパワージャパンを含むその他の子会社は、今回の会社更生法の申請とは一切関係なく、従来通り事業が継続される。
  • 現在、日本向け製品の生産発注・供給は、無錫サンテックパワーとは異なるJVとサンテックパワージャパンの間で行われており、今後の日本への製品供給には全く影響はない。

    ※このJVは、無錫政府傘下の投資会社(Guolian)とサンテックインベストメント(サンテックパワーホールディングスの子会社)によるジョイントベンチャー。

 

サンテックパワーは、価格の安さと長期保証(太陽電池モジュール25年)がウリ。日本国内でも、ヤマダ電気などに太陽電池を供給して販路を広げてきました。

 

海外メーカーの製品は、「価格の安さ」という点ではよいのですが、こういう事態になったときには、やはり心配です。

 

サンテックパワージャパン(株)の発表はこちら
  http://www.suntech-power.co.jp/news/pdf/20130321.pdf

生産過剰と欧米との貿易摩擦が響く

サンテックパワーは、2010年、2011年と2年連続で太陽電池生産量世界№1を記録しましたが、昨年(2012年)は、太陽電池生産を4割削減。株価が大幅に下落し、米ニューヨーク証券取引所から上場廃止の警告も受けていました。

 

背景には、欧米市場全体の落ち込みと欧米との貿易摩擦があります。

 

市場にあふれる太陽電池

EPIA(欧州太陽光発電酸業協会)によれば、世界の太陽電池導入量は、2007年には2.5GWだったのが2011年には29.6GWと、4年間でほぼ12倍に急拡大しました。2012年は30GWで前年とほぼ横ばい。ただし、欧州地域外で見ると、2011年が8GWだったのに対し、2012年は13GWと大きく増加しています。

 

各メーカーが、欧州各国で補助金が導入されるのを見越して増産したことで太陽電池導入量は一気に拡大しましたが、一方、欧州債務危機の影響で景気が減速し、需要が伸び悩みます。そうした中でも中国メーカーは、雇用の確保や税収増をねらう地元政府の期待を受けて工場の拡大を継続し、行き場をなくした製品が市場にあふれかえったわけです。

 

欧米が中国製品を市場から締め出す

サンテックパワーなど中国メーカーは、低価格の太陽電池をここ数年で世界中に広めました。欧米では中国企業の製品に対し、不当な安売りとの指摘が多く、米国は昨年秋から正式に反ダンピング課税を適用しはじめました。

おすすめのページ

中国の太陽電池大手サンテックパワーの子会社が破産関連ページ

固定価格買い取り制度|太陽光発電の買い取り価格を1割引き下げ検討
経済産業省は、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度で、2013年度(平成25年度)の太陽光発電の買い取り価格を1割程度引き下げ30円台後半とする方向で検討に入りました。
楽天が日本エコシステムの株式取得|伊藤忠商事と楽天が合意
日本エコシステム(伊藤忠グループ)の株式の一部を楽天が取得することを伊藤忠商事と楽天が合意しました。
住宅用太陽光発電システム価格の推移と費用の相場
住宅用太陽光発電システム価格の推移をまとめています。この4年間で既築設置の場合18万円/kw、約3割ほど価格が下がっています。
2013年度の太陽光発電買い取り価格38円に
2013年度(平成25年度)の住宅用太陽光発電の買取価格は2012年度(平成24年度)よりも4円引き下げ38円となります。一方、電気料金への上乗せ額は平均で33円増えて月120円となる見通しです。
2013年度の再生可能エネルギー賦課金単価
2013年度(平成25年度)の再生可能エネルギー発電促進賦課金と太陽光発電促進付加金の単価が決まりました。2013年(平成25年)5月分の電気料金から適用されます。
韓国財閥ハンファグループがメガソーラーを徳島県阿波市に建設
韓国中堅財閥のハンファグループの日本法人ハンファQセルズジャパン(東京)が、日本国内第1号となるメガソーラーを徳島県阿波市に建設。2013年7月の稼働を目指します。
産業用太陽光発電設備の設置にともなうグリーン投資減税の内容と期限
固定価格買取制度の認定を受けた10kw以上の太陽光発電設備を取得した場合、税の優遇を受けられます。
家庭用リチウムイオン蓄電池を電機メーカーが相次ぎ投入
電機メーカーが家庭用のリチウムイオン蓄電池を相次いで投入し始めました。太陽光発電システムとセットのものもあります。
省エネリフォーム(太陽光発電設置含む)で10%の所得税額控除
省エネ・リフォームとあわせて住宅太陽光発電設備を設置すると、一定の条件を満たせば、工事費の10%をその年分の所得税額から控除されます。
パナソニック太陽光パネル20年保証へ
パナソニックは「HIT太陽電池」新製品の保証を20年に延長することを発表しました。
再生可能エネルギー発電シェア2018年に25%へ
国際エネルギー機関(IEA)が再生可能エネルギー市場に関する年次報告書で、再生可能エネルギーを使った発電量が2018年までの5年間に40%増加し発電全体の25%にまで拡大するとしました。
ベランダ用太陽光パネル/シャープがシースルー太陽電池新製品発売
シャープが透過型太陽光パネル新製品5機種の発売を発表しました。マンションのベランダに柵代わりに設置する小型タイプもあります。
太陽光発電は今が旬/PVジャパン2013開催
国内最大の太陽電池見本市「PVジャパン」が7月24日~26日の日程で東京ビッグサイトで開催されました。
パナソニックのマレーシア太陽電池工場が本格稼働
パナソニックがマレーシアに建設していた太陽電池工場が2013年8月30日本格稼働を始めました。
蓄電池の補助金|経済産業省が打ち切り・終了を発表
経済産業省は2013年9月13日、「定置用リチウムイオン蓄電池導入促進対策事業費補助金」について、9月14日以降に契約交渉(商談)が始まるものは、補助対象にならないことを発表しました。事実上の補助金打ち切りです。
住宅用太陽光発電の国の補助金が2014年3月末で終了・打ち切り!?
経済産業省は2013年11月5日、住宅用太陽光発電導入支援対策補助金を2014年3月31日で終了することを発表しました。2014年度(平成26年度)からは補助金制度そのものがなくなる方向です。