再生エネ電力の買取価格を半年ごとに見直しへ
(2014年10月30日)
再生可能エネルギーの買取価格が、今後は半年ごとに見直すことになりそうです。経済産業省が29日、再生エネの買取価格を半年ごとに見直す方向で検討する方針を固めたことが新聞報道されていました(徳島新聞、10月30日付)。
現在、固定価格買取制度に基づく再生エネの買取価格は、年度ごとに見直されています。例年1月~3月に経済産業省の調達価格等算定委員会が発電設備の平均的なコストをもとに算定し、年度が替わる4月からの買取価格に反映させる仕組みです。
ターゲットは太陽光
再生エネ発電設備の中でも、太陽光以外は買取価格が据え置かれてきました。あまり普及が進んでいないからです。それに対して太陽光は広く普及し、設置コストが大幅に下落していることから、毎年、買取価格が引き下げられてきました。
太陽電池など資材価格の低下にスムーズに対応できるよう、見直しの機会を増やし、買取価格の引き下げを加速させていく考えのようです。ターゲットは、もちろん太陽光発電です。
太陽光発電設備は、大規模なものでも1年もあれば、国の設備認定から電力会社との接続協議・契約、建設、運転開始まで完了します。それに対して、例えば地熱発電なら計画から運転開始まで10年以上もかかるとされています。
そういった「建設の容易さ」に加え、太陽光の買取価格が他の再エネよりも高めに設定されていたことから、大規模太陽光発電(メガソーラー)が急増しました。太陽光の買取価格を引き下げることで、他の再生エネの普及を後押しするねらいもあります。
もちろん、買取価格の引き下げは、電気料金に上乗せされている再エネ賦課金を引き下げることも目的です。経済産業省は認定を受けた発電設備が全て運転を開始すると、再エネ賦課金が現在の4倍以上になると試算しています。
家庭や事業所など電力消費者の過度の負担は避けなければなりません。しかし、そもそも再エネ賦課金にしても電気料金にしても算定の仕方そのものに問題があります。そういったところも改善して、太陽光発電の普及に水を差すことのないよう期待したいところです。
地熱・中小水力の新規買い取り再開へ
電力5社が再生エネの新規買取を中断している問題では、気象条件に左右されにくく、発電量が安定している地熱や中小水力を対象に、電力会社の接続再開の方策を検討する方向であることが報じられていました。
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