再生可能エネルギー受け入れ拡大策を経済産業省が検討開始

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再生可能エネルギー受け入れ拡大策を経済産業省が検討開始

(2014年10月17日)

経済産業省は16日、電力5社が再生可能エネルギーの受け入れを停止している問題で、有識者による専門部会「系統ワーキンググループ」を新エネルギー小委員会のもとに設置し、電力各社の接続可能量の検証と、接続可能量の拡大策の検討を始めました。年内に結論を取りまとめ、電力買取制度の見直しにも反映させる方向です。

 

電力5社は、再エネによる電力供給量が需要量を上回るとして、再エネ発電設備の新規接続を停止しています。供給が需要を超えると送電が不安定になり、停電の恐れがあるというのが理由です。

 

接続可能量の検証

各電力会社の接続可能量の算定方法や算定のための前提条件などについて、整理・検証します。

 

新規接続を停止している電力5社の送電網について、2013年度の使用状況をもとに、各社が自社発電分に必要な容量を精査した上で、再生可能エネルギーをどこまで受け入れられるかを割り出します。

 

接続可能量の拡大策

電力会社の間で再エネ電力を融通できるよう運用を見直すことのほか、再生可能エネルギーの電気を貯留したり、既存の再エネ発電事業者の受け入れを制限して、新規事業者の受け入れを増やすというのが対策の柱になりそうです。

 

地域間連系線の活用

隣り合う電力会社の送電網をつなぐ「地域間連系線」は、発電が不安定な再生可能エネルギーは流しにくいルールになっています。その運用を見直すことで、接続可能量を増やすことを検討します。

 

貯留方式の活用

昼間、太陽光発電で余った電気を水力発電所の水を汲み上げるのに利用し、夜間に水を流して発電する貯留方式が有力とされています。

 

既存発電事業者の受け入れを制限

電力会社が、既存の再エネ発電事業者からの受け入れを制限し、余った発電枠に新規事業者を参入させる方策も検討されます。電力需要が少ない時期や緊急時に、電力会社が再エネ発電事業者に対し、送電量を抑えるよう要請しやすくします。

 

再エネ特措法では、500kw以上の太陽光、風力について、年間30日まで出力抑制を無補償で行うことが可能となっています。無保証の日数を延ばすとともに、500kw未満の事業用の太陽光も要請できる対象に含めることが検討されます。

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